Content-Type: text/html イルミナティとシリウスの関係
 
 

イルミナティとシリウスの関係


 シリウス信仰が再び歴史の表舞台に姿を現すのは、1776年の事である。
 シリウス信仰を歴史の闇から掘り出したのは、アダム・ヴァイスハウプトという人物である。24歳にしてババリアのインゴルシュタット大学法学部教授に就任した早熟の天才であった。
 ヴァイスハウプトは、革命前後のヨーロッパにあっ自由主義を標榜した為、守旧派による弾圧の憂き目にあう。やがて彼は大学で講義する事が出来なくなり、止むなくミュンヘンに移り住んだのだったのである。
 ミュンヘンで秘境科学の研究に没頭したヴァイスハウプトは、ケルト・ゲルマンの密儀ーーと秘儀の系譜を逆に辿る内に、太古のシリウス信仰と出会い、その秘教知識を得たとされる。
 シリウス信仰に帰依したヴァイスハウプトは、「霊感世界を再び地上の人間界に移植する為」に、「イルミナティ」と称する秘密結社を設立する。1776年5月1日の事である(マルクス主義者のメーデー記念日!忍)。「イルミナティ」とは、英語で言えば「イルミネーション(光明)」である。それは叡智の光明であると同時に、シリウスから発せられる光明であった(これだけでは意味が分らない)。
 ヴァイスハウプトの設立した秘密結社イルミナティは、当時の知識階級に持てはやされた。彼等もヴァイスハウプトと同じく守旧派に抑圧されており、彼等の知性斗理性にとって、イルミナティは、ヨーロッパで急速に膨張していった。
 18世紀の知識階級といえば、学者、学生、弁護士、裁判官、医者、薬剤師、貴族等が挙げられるが、彼等の多くはフリーメーソンに所属していた。
 しかし、当時のフリーメーソンは沈滞状況に陥っていた爲、そこから何ら知的刺激を得られなくなったエリート達は、こぞってイルミナティに入団したのである。こうしてフリーメーソンの多くの組織が、イルミナティに吸収されていった。
 又、マルタ島で孤高を保ち、シリウス信仰を秘儀として継承していたマルタ騎士団も、イルミナティに合流した。1785年、イルミナティは反体制的結社と云うことで守旧派に弾圧され、解散を余儀なくされる。これにより、イルミナティに吸収されていたフリーメーソンの組織(イルミナティ系のフリーメーソンという)は地下に潜伏した。その多くは新興国家アメリカに脱出したといわれる。
 又、イルミナティの解散により、その最高秘儀となっていたシリウス信仰も地下に潜伏した。そして、イルミナティ系フリーメーソンと共に、新興国家アメリカへ亘ったのである。(雑誌「ムー」より)