法華経の註釈


菩提心 佛の悟りを求める心

嫉妬 人の幸せや自分より優れた物を憎んだり、しゃくにさわる心の状態

姦婬 正式な配偶者以外との性交をする事。一夫一婦制が基本

配偶者 正式な異性交渉を行う相手。同性は認めない

随喜 信仰して、恩を知り心から感謝の心を持つ精神状態

慳貪 嫉妬の過失

忍辱 堪え忍ぶ事

驕慢 奢り高ぶった気持ちで人を見下している精神状態

懈怠 気持ちが緩んで怠ける事

度する 人を救う、悟りの世界(彼岸)に渡す

殺戮  動物に比べ、劣性である事の証明、即ち悪徳のもう一つは、殺戮嗜好、残虐嗜好
(苛め、恐喝等!忍)です。動物は身を守る為に戦い、生きて行く為だけに殺し(食料確
保等!忍)、其れを食う。人間は其れを快楽視している自分に気付かない(遊戯としての
「釣り」とか「狩猟」とか「弱い者苛め」、「恐喝」、日本料理の「生作り」、「女体盛」
等!忍)。快楽の為に動物を殺し、人を殺す。古代人と同じく、現代の無知な人々(何を
為すべきか、為さざるべきかも心得ていない)に天は再び判り易い言葉で教えましょう。
”種の存続の為にーー民族、国の為にーー戦うを嘉しとし、快楽の為に殺すなかれ”。
”天は少しも人類を動物以上の優れた種とは見なしていず、動物界でも下等な位置の生
き様をしか生きぬ恥ずべき人間が増え過ぎている”。”人よ、謙虚に自然を見習え”と。

十悪 身に行う事、口に言う事、心に思う事(三業)の三側面で認められ
  る取り分け悪い10種の行為を言う。具体的には、殺生・偸盗(盗み)
  ・邪婬(姦婬であり、正式な配偶者(婚約者も含む)以外との性交渉す
  る事)・妄語(偽り)・綺語(巧みに偽り飾った語)・悪口・両舌・
  貪欲・瞋恚・愚癡(愚痴)。此の内始めの三つは身の悪、中間の4つ
  口の悪、後の三つは意の悪であり、身三・口四・意三と云われる。

   殺す事、盗む事、邪淫する事、嘘を付く事、粗暴な罵倒の言葉、陰
  口を叩いて人を仲違いさせる事、飾り立てた詭弁、貪る事、心に怒り
  がある事、及び間違った見解の十種を言う

有為 「宇宙の法則」に因って生じ、変転・生滅を繰り返す有らゆる存在

無為 因果の束縛を超越し、生滅変化する事の無い永遠の「宇宙の法則」
  に従う事

楽う(ねがう) 願い求める

退心 消極的な気持ち。体の疲れや精神の挫けから、修業を止めようとす
  る心

有漏 『煩悩に迷って、悟りを開く事の出来ない凡夫』と一般に佛教では
  教えられているが、此処は素直に神佛の秘密を漏らすと解釈した方が
  良いと感じる。悪の秘密は、漏らす事に依って、悪を断ち切る事なの
  で「正業」に属する。

漏(asrava) 流れ出る事、流れ出る物、漏れるもの、の意で此処
  で、一般的に言われている佛教は、六根から漏れ出ると説明され、煩
  悩の異名とした。此れは、六根を閉じる禁欲主義の考え方で、六根の
  正常化とは全く無関係である。此れは「佛説観普賢菩薩行法経」に説
  かれている六根清浄が正しい方法である。是の経は、人間が持ってい
  る五欲を断じないで、六根を清浄する方法を述べている。上の禁欲主
  義の考え方は、生物が生きる事は、六根が漏れ出ると言う意味である
  から、「無漏」の意は、死を意味する。御釈迦様は、是の修行は、真
  の涅槃を得る事が出来ないと悟り、中道の道を考え、八聖道を説いた
  のです。此処の「漏」は素直に「秘密が漏れ出る」と云う意味で使う。

無漏 神佛の秘密を漏らさない事

煩悩 心を煩わし、身を悩ます心の働き。心身を悩ます一切の精神作用の
  総称。貪・瞋・癡の3つは三毒と称して、煩悩の根本に為しているが、
  其の中で癡が一番の根本になっている。無知である為の苦しみである
  事。
  貪ー五欲(財欲・性欲・飲食欲・名欲・睡眠欲)の対象に執着する迷
  い
  瞋ー自己中心的な嫌悪の感情で好ましくない物を排斥、回避しようと
  の心
  癡ーものの道理が分からない事で悩み、自ら神佛の智慧を学ぶ努力を
  放棄する行為

聲聞 縁覚・菩薩と共に三乗の一つ。御釈迦様(世尊)の説法の声を聞い
  て悟る弟子。縁覚・菩薩に対しては、佛の教説に依って四諦の理(苦・
  集・滅・道)を悟り、阿羅漢になる事を究極の目的とする佛弟子

辟支佛 佛の教えに依らないで、自力で真理を悟り、其の悟りの内容を人
  に説く事をしない仙人。一人悟りを開いて其れを楽しむ仙人で、独覚
  と意訳する。

唯佛と佛と乃し能く諸法の実相を究尽したまえり。所謂諸法の如是相・如是性・如是体・如是力・如是作・如是因・如是縁・如是果・如是報・如是本末究竟等なり。
 此れを、一切の事物の実相には十種の如是があると云う事で、十如是と云われている。天台宗では、一念三千の基本とし、十如是は其の儘一つであると解する。相は相状、性は内的本性、体は相・性の本体・主体、力は潜在的能力、作は其の力の顕現、因は直接原因、縁は間接原因、果は結果、報は後世の報果、本末究竟等は以上の9つが一つに帰結し、其の儘実相に他ならない事を云う。

衆生 迷いの世界に有らゆる生類。佛の救済の対象となる生ける物
 

頭陀を行ずる者 佛道修業(衣食住に対する欲望を払い除ける修業の意)
  の為に定められた生活規律。是の時は、法華経を伝える為に得た戒律
  を守る人を、佛道修業者と名付けている。

柔和忍辱 法華経(正見)を念じて、柔順温和で、外からの恥辱や危害
  に良く堪え忍ぶ事。

劫数 極めて長い時間数

阿僧祇 数える事が出来ない程の大きな数

転倒 正しい道理が失われて、誤っている事理解の仕方が逆さまである事
  又、本来の在り方や順序等が乱れ失われて、逆さに成る事

神通力 「超自然現象」の力と云っているけれど、違っていて、言葉の通
  り神々が守護している人に与える力の事を云う。だから、過ちがあれ
  ば、罰する力も与えられている。所謂、霊現象を云う。神々が与える
  力を神通力と云うけれど、悪鬼(悪魔)等が与える力を魔術と云う。
  其の正邪を区別する力を与えるのが法華経である。

質直 飾り気のない正直

恭敬 慎ましく敬う事

信楽 教えを信じ、喜び慕う事

劫尽きて 是の世が終末に迎え、

天鼓 帝釈天宮(ミカエル大王様の宮殿)にある鼓。是の鼓は阿修羅が攻
  め入る時、打たなくても、自然に鳴ると云う

曼荼羅華 天上に咲くと云う芳香を放つ白い花。其の色は美妙で、見る人
  の心に悦楽を感じさせると云う。佛の説法又は諸佛出現の際に放悦の
  表示として天から降る。四華の一つ、白蓮華に当たる(中国の結社で
  白蓮華の当たる人達は、天上界が守護した結社である可能性がある。
  只、中身が「法華経」に基づいているのか、首領が真面目に働いてい
  るのかは調査する必要はある。正しければ守護しなければならない)

妙法蓮華経如来寿量品第十六の現代語訳
「私が佛に成る事が出来てから是の来 経過した劫の数は 無量・百千万
 億・載・阿僧祇と云う巨大な数である。私は常に説法して、億の無数倍
 と云う多くの衆生を教化して、佛道に入らせてきた。其の様にして来て
 今に至る迄、量り知れない年数が経っている。衆生を救済せんが為に、
 真実の教えを導く手立てとして私が死んだとして現して見せたが、しか
 し実際に入滅したのでは無い。常に此処に留まって正法を説き続けてい
 るのだ。私は常に此処に留まっているのだが、様々な神通の力に依って
 (心が)倒錯している衆生には 近くに居ようとも見えない様にしてい
 るのだ」