◎悪魔の罠バーチャル経済(博打経済)◎


 CRSレポートによって明らかになった、日本潰しの実態ーー。
 メーソンの真の目的は、
 EUを成長させてユーロの価値を揺るぎ無いものにする事だった。
 その為には、バーチャル=虚の経済の中で、
 完全に日本を支配し、陰で操る事を狙っていたのである!
 

●日本の金融規制解除で恩恵を受ける者

 前回、米国議会に提出されたレポートを紹介した。原題は「CRS Report for Congress」ーー議会へのCRS報告ーーという意味である。議会とは米国議会の事で、CRSとは議会調査局の略である。題名(タイトル)は「日本のビッグバンとその他の金融規制解除」。

 「米国の金融サービス提供者にとって、ビッグバン及びその他の金融規
 制解除の大きな魅力は、日本にあるほぼ約1200兆円(10兆ドル)
 にのぼる私的金融資産である。1995年において、この金額の内の5
 6%が銀行及び郵便貯金に、7%が株式に、3%が投資信託に、そして
 2%が債券によって貯蓄されている」

 彼等が日本にビッグバンを仕掛けた狙いは、日本人の個人金融資産1200兆円にある事が分る。その内訳までちゃんと調べつくしている。その為の問題点も次の様に指摘するのである。

 「この規制解除に纏わる問題は、日本の大蔵省がその権限をどれだけ手
 離そうとするかにかかっている。大蔵省がその権限を手離すだろうか。
 又、日本企業の犠牲を払ってまで、外国企業が市場シェアを獲得するの
 を許すだろうか」

 又、その具体的な攻撃の標的が、前回でも触れた同省の護送船団方式だった。それを撤廃しない事には、規制解除を幾らやっても効果は薄い。そこで日本のマスコミ(朝日、毎日、日本経済新聞)をうまく使って、この金融政策を撤廃させたのである。
 その結果、大蔵省はどうなったのか。昨年、問題になった様に、汚職スキャンダルが暴かれ、大蔵省は社会的信用を失墜し、完全に牙を抜かれてしまった。米国の求めるまま、あらゆる規制を外さざるを得なくなっている。彼等の思うとおりの状況が出来上っているのである。
 彼等の主張する論理はこうだ。

 「市場原理による自由競争の経済社会を作ろう」

 しかし、金融メーソンの主張する市場原理とは、自らが巨額の資金を動かして裏から操る市場の事である。需要と供給という経済原理の自由競争ではない。自分達が、どのようにでも操作出来るシステムの事なのである(其のシステムの内容は下記する)。

 そのシステムを効果的に機能させる為に、各国の規制解除を進め、終身雇用や年功序列を止め(それにより、日本の固有の伝統を否定させ、共産主義の浸透を図る目的であった!忍)、能力主義社会にしようと主張する。又、そうした規制管理をしている官僚や役所が悪いと煽り立て、マスコミを煽動する。
 つまり、規制や保護を無くせば、公明正大(フェア)な国際社会になり、それこそが
世界基準(グローバル・スタンダード)であると吹聴する。将に、嘘八百とはこの事だろう。
 
 

●仮想現実(バーチャル)経済で金融の魔術を行う

 そこで彼等が操作する市場システムとは、どの様なメカニズム(機械化)で動くのか、見て観ることにしよう。
 鬼塚氏はこの機械化を「バーチャル経済による金融の”魔術”」と名付ける。バーチャルとは「バーチャル・リアリティ(仮想現実)」のバーチャルの事である。
 ドル紙幣の$が、古代からの妖術のシンボルであり、「支配し、懲らしめる」という意味がある事は、「フリーメーソンの黙示録」でも紹介した。そして、今でも妖術師や魔術師達は、クリスチャンが十字を切るように、この$の印を指で挨拶代りに切る。
 米国ノースカロライナのグリーンフィールドにあるウィッカ(国際的魔女の秘法の御業)協会の有名な祭司長アイザック・ボノビッツ(ロスチャイルドの私的魔術祭司団「グランド・ドルイド・カウンシル13」の13人のメンバーの内の一人)は、この秘儀をこう語る。

 「この$というシンボルを通して、我々は間もなく世界を統治
 する事になるだろう」

 この言葉の意味するものは、一体何か。ここに金融の魔術(悪魔(悪霊)による洗脳)が出て来るのだ。それが、バーチャル経済である。メーソンはドルを使って金融という名の魔術を行っているのである。
 物を製造して売買いする経済を「実の経済」とすると、金融のように目に見えない相場の商品の売買を「虚の経済」と呼ぶ。
 バーチャル経済とは、この虚の経済の事である。その典型的な例がデリバティブ。ヘッジファンド(投資家から資金を集めて、為替・株式・債券等を運用する投機)のデリバティブでは、レバレッジ(てこの応用)により、手持の資金以上に大きく賭ける(借金して賭博する事を意味している)事が出来る。
 例えば、10億ドルの資金(ファンド)なら、その10億ドルで株式や債券を購入し、その株式や債券を担保にして資金を借入れ、それを又見せ金として先物市場なり、オプション市場で投資する。そうすると、10億ドルが20億ドルになる。それでオプションを買うとすると、担保率は2%なので、20億ドルは忽ち1000億ドルに膨れ上がるという仕組である。
 これがレバレッジで、様々な金融派生商品を組合わせ、コンピューターを駆使して投機する。其の結果、元金10億ドルのレバレッジ比率が100倍となり、1000億ドルになるのである(株価は常に変化しているから、全て嘘の金になる。投資はあくまでも其の企業の成長の為に投資する以外は無意味である。だから長期投資以外は全て無意味である。それ故に上の意味は、990億ドルは借金としての意味だけである!忍)。
 しかも、ジョージ・ソロスが経営する「クォンタム・ファンド」等のヘッジファンド会社は、その多くがバハマとかカイマン島等の、タックス・ヘイブン(租税回避地)に本拠を置いている為、アメリカのSEC(証券取引委員会)や各種の規制、監督官庁の監査から逃れるように設立されている。
 例えば、ファンドの参加者1000人未満の場合(故意に99人にする)、全く報告義務も監督される官庁もない。
 つまり、書類をSECに提出する必要も、企業情報公開(ディスクローズ)の義務もないのである。又、先物取引とオプションの売買金額が、運用資金の10%未満の場合、商品取引協会への登録義務もないのである。
 将に、合法的に法の網をかい潜った金融の魔術ーー(これは単なる法律の悪用でだけである。運用資金が巨額であれば、例え10%未満でもあっても、中小企業並の資金と同様位運用されるだけである事を頭に入れる必要がある!忍)。
 現在、世界の経済活動はこの「バーチャル経済」と「実の経済」の二つに大別される。では、どちらの経済が世界を動かしているのだろうか?
 
 

●法の網をかいくぐり私服を肥すメーソン

 当然、実の経済だと思われがちである。だが、バーチャル経済なのである。何とその差は25倍!バーチャル経済が世界経済を動かしていたのである(其の結果バブル経済になる。いつでも株が大暴落なる原因を作っている!忍)。
 例えば、先のジョージ・ソロスの会社は、クォンタム・ファンドで扱うヘッジファンド等の為替取引の規模で見てみると、約144兆円(1兆2千億ドル)にもなる。この金融は、世界の1日の全ての貿易量の90倍に達する額である。ソロスは99人の国際投資家達から資金を集め、その運用を任されて荒稼ぎする。
 バーチャル経済の世界には、こうした金融メーソンが何人もいて、巨額の資金を動かしているのである。
 現に、これだけ大量の国債資金が流れ込むと、東南アジア、ロシア、中南米等の市場規模の小さいマーケットは、直ぐに価格が急騰してバブルが生じる。
 そこで彼等は株を買いまくり、最高値になると、今度は浴びせ売りをかける。そしてその利ザヤで莫大な利益を上げるのである(将に実体ない経済である。単なる賭博だけである!忍)。
 日本のバブル崩壊の時、ソロスは僅か1日で900億円も儲けたと云われている。又、1997年には、日本株の底値買いをして巨額の利益を計上した。
 だが、こうした荒稼ぎだけなら未だいいが、儲けるだけ儲けると、巨額の資金を一斉に引揚げてしまうのである。
 そうなると、価格が暴落するだけでなく、経済全体が破滅的な打撃を受ける。その為、マレーシアのマハティール首相は

 「ジョージ・ソロスは、国際的犯罪者であり、金融のアジア危機は
 ソロスとアメリカ政府が企てた陰謀だ!」

 と激しく避難している程である。
 それも当然の事である。これまでアジアの経済成長は、20世紀の奇蹟と云われ、世界中から注目されてきた。それが極一部の金融マフィア(メーソン)によって、ガタガタにされたからだ。
 彼等がヘッジファンドで動かす投機マネーは、世界中の市場で総額3000億ドルから4000億ドルと云われている。仮に4000億ドルとすると、レバレッジで勝負に出ると4兆ドル(約480兆円)にも達する。
 これだけの国際資本が動けば、一つの国が国力をあげて立ち向っても、叶うわけがない。金融の魔術は、こうして発揮されているのである。